小学生高学年

小学生の皆さんには、スポーツと体育の違い、ゲームと試合の違いなど、用語の確認から、フェアプレーの基本を解説して行きます。
このWEBサイト以外に、ダウンロードして印刷出来るPDF教材と、短い解説動画を付けました。クラブチームで、部活動で、総合などの時間にご活用ください。

1,スポーツの英語動詞はPLAY

スポーツと体育の違い。それは「ゲーム」かどうかです。ドッチボールや、バスケットボールは、ルールがあって勝敗が決まります。マット運動や、跳び箱には勝敗を決めるためのルールはありません。
スポーツは欧州で誕生したものですから、英語で考えみましょう。「私は毎日野球をします」を英訳するとI play baseball every day. 野球を行うを意味する動詞はPLAYです。「私は毎日ダンスをします」を英訳するとI dancing every day. となりPLAYという動詞が使われず、danceという名詞にingを付けて動詞化しています。動詞がplayになるモノは、サッカー、テニス、ゴルフ、バレーボールなど、得点や反則に関するルールが存在しており、対戦相手を必要とするものばかりです。

 ◯スポーツの英語動詞はPLAY

動詞がplayのものは、最初からGAMEとして設計されているのです。動詞がingのものはルールを知らなくても、対戦相手がいなくても楽しむことが出来ます。ダンスはルールを知らなくても上達しますが、サッカーはそうはいきません。ダンスやサーフィンなど動詞がingのものは、近年競技化され「採点者」が基準に沿ってパフォーマンスを評価し、勝敗が決まるようになりました。野球は試合開始の時に審判は「プレイボール」と言います。「ボールで遊びを始めます」と訳すことも出来ます。

 ◯選手ではなくプレイヤー

スポーツを行う人を日本では、「選手」と呼ぶ人がいます。この呼び方は武士時代の名残です。武士は全員武道を練習を行っていました。そのパフォーマンスを競うことを「試合」といい、試し合ったのです。真剣で行ったら相手を怪我させてしまします。ですから最初と最後に「礼」をするのです。この「試合」には武士全員が出ることはありませんでした。選ばれた何人かが、他の道場などと「試合」を行うのが通常でした。「試合」に出るのは選ばれた「選手」だったのです。この呼び方が現在のスポーツにも残ってしまったのです。スポーツをする人はプレイヤー「遊ぶ人」と呼ぶべきです。

 ◯スポーツを定義

GAMEと激しい身体運動という2つの条件を満たしたものをスポーツとし、ダンスなどは、発展過程でルールや採点方法など、ルールを後で加えてスポーツ化したものです。GAMEは遊びで、楽しいものです。ですからスポーツも楽しい遊びです。真剣に勝利にこだわる遊びです。オリンピックの正式名称もOLYMPIC GAMEで、GAMEであることを大切にしています。

2,フェアプレーとは

日本では「正々堂々と戦うこと」と答える方もいるでしょう。しかしスポーツ発祥の地である英国を中心とした欧州では、より具体的に説明されています。
スポーツのGAMEを行う時、まず守らなくてはならない事は法です。暴力や威嚇、脅迫など、社会で定められている法律を遵守すること。次に競技ごとのルールがあります。得点規定や反則規定が該当します。3つ目に楽しくGAMEを行うためのマナーがあります。対戦相手の失敗を喜び過ぎないことや、審判への礼儀などです。最後にモラルです。対戦相手がケガをする危険があるファウルは、ルール違反で罰を受けます。GAMEでは罰を受ければ、それ以上非難されません。対戦相手にケガをさせることは、モラルに反しています。フェアプレーとは、GAME後に「再度この対戦相手とGAMEしたい」と思ってもらえる振る舞いをすることです。
具体的にフェアプレーの校正要素は、公正な競争、敬意、友情、チームスピリット、平等、ドーピング、誠実さ、連帯、寛容、ケア、卓越性、GAMEの喜びなどです。

 ①公正な競争

スポーツの成功は、勝つだけでは十分ではありません。 勝利は、ファウルの無い公正なPLAY、PLAYER全員の誠実さ、そしてルールに基づいた得点やパフォーマンスで判断されなくてはなりません。

 ②尊敬(リスペクト)

すべてのアスリートにとって、ルールに従ってプレーすることは絶対であり、書かれていないルールを尊重することは必須です。 フェアプレーには、対戦相手、仲間のプレーヤー、審判、ファンに対する無条件の敬意が必要です。

 ③友情

フィールドでのライバル関係は友情の反対語ではありません。 それどころか、友情はスポーツでの真剣勝負により成長する可能性があります。

 ④チームスピリット

よく練習したPLAYERは一人でも素晴らしいパフォーマンスを発揮しますが、チームでより強くなります。 勝利の瞬間をチームで共有することが最高の喜びです。

 ⑤平等

国籍、生地、宗教など、いかなる背景があってもスポーツにおいて平等でなくてはなりません。GAMEに際しては、対戦相手間の条件を平等にしPLAYERのパフォーマンスが発揮出来る環境を整えなくてはなりません。

 ⑥ドーピング

薬物やドーピングによる不正行為をしないことはルールにも書かれています。 これを行う人は、GAME全体を台無しにします。

 ⑦誠実

正直であり、強い道徳的原則を持つことは、フェアプレーに不可欠です。 真のチャンピオンを目指すなら、健全な倫理的枠組みの中でスポーツを実践することが極めて重要です。

 ⑧連帯

お互いに支え合い、気持ちや目標、夢を共有することが大切です。 相互サポートは、フィールドの内外で相互の成功をもたらします。

 ⑨自己中心的でないこと

ポジションや、戦術など、同意できない行動や決定を進んで受け入れることで、自制心が発達します。 チームのための自制と、楽しむための自己主張のバランスをとることです。

 ⑩気遣い

スポーツを心から楽しむPLAYERは、多くの人からの協力があって自分たちのGAMEが成立したことを知っているため、お互いを気遣います。

 ⑪最善をつくす

スポーツは、自分の限界を拡げるため挑戦を続けるものです。練習でもGAMEでも最善をつくすことで、最高のスポーツ体験が出来ます。

 ⑫喜び

近代オリンピックの父であるピエール・ド・クーベルタンは、「人生で重要なことは、勝利ではなく、戦うことです。本質的なことは、勝つことではなく、よく戦ったことです」と述べました。 競争は激しくなることがありますが、スポーツをするときは常に最初に喜びを探す必要があります。 熱戦の中でもPLAY(遊び)を忘れてはなりません。

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